YAMAHA RTX1200を使ってJPNEに接続するプロバイダでIPv4 over IPv6を実現する検証[draft]

TL; DR

  • フレッツ契約情報を見つけ出す
  • ZOOT NATIVEの契約をする
  • DS-Liteの設定をする

はじめに

新型コロナウイルス感染症の流行で在宅勤務が一般的になったためかPPPoE接続の速度が終わってきて何のために回線契約しているのかわからなくなってきた今日このごろ、 家にちょっといいルーターがあればIPv4 over IPv6によってプロバイダの網終端装置をバイパスして多少速度を稼ぎたくなるところです。 ところで我が家で契約しているSo-net光は、ある日を境にIPv6のVNEをインターネットマルチフィード(mfeed)から日本ネットワークイネイブラー(JPNE)に変更してしまいました。 これによってIPv4 over IPv6を実現するために利用するトンネリング技術がDS-LiteからMAP-Eに変わったことを意味します。 一方、我が家に存在するYAMAHA RTX1200はMAP-Eに対応していません。 *1

ということで、設備投資をしなければMAP-EによるIPv4 over IPv6が使えないということになりますが、 mfeedを経由するIPv6 IPoEサービスを提供するプロバイダを別途契約することでDS-LiteによるIPv4 over IPv6を実現できないものでしょうか。 そこで今回はインターリンクが提供しているZOOT NATIVEとSo-net光を同時に契約できないか試してみます

予備調査

ZOOT NATIVEがコラボ光との併用をユースケースとして想定しているのか調べてみると、次のヘルプページがヒットします。 光コラボレーション(ドコモ光など)でZOOT NATIVEは利用できますか?

ということで大手を振ってプロバイダを切り替えられることがわかりました。正確に言えば切り替えるわけではなく複数プロバイダと契約する状態になっているわけですが。

事前準備

ZOOT NATIVE申込みのためにはフレッツのお客様IDとアクセスキーが必要です。 so-netの場合は[接続サービスご利用状況]->[ご契約情報の詳細]とたどったページで確認することができます。 この2つの値をメモしておきましょう。 f:id:akahana_1:20200606224745p:plain 次に、v6プラスオプションに加入していないか確認します。もし確認していた場合はその場で解約しておきます。 解約してから実際にVNEからの払い戻しが停止されるまでは1日程度必要なため、もしプロバイダでv6プラス契約をしていた場合はここで少し待つ必要があります。 私の場合は、解約申込みをしてから1日後になぜか再度v6プラスが有効になり、その後すぐにv6プラスが解約されるという謎の現象が発生しました。 v6プラスを有効化していた場合はある程度ゆとりを持ったスケジュールにするのが良いと思われます。

これでso-netとの契約情報から必要なものを抜き出し、事前準備が整いました。

ZOOT NATIVEへの申込みと開通

ZOOT NATIVEに申し込むフォームで先程メモしたフレッツのお客様IDとアクセスキーを利用します。 また、ZOOT NATIVEの申込ではフレッツ光の回線契約タイプの記入が求められます。

契約タイプの特定には回線の最大速度、貸与機器の種別などを見ながらフレッツ光の公式HPのプラント見比べるのが良いでしょう。 私はONUのみの貸与で、GE-PON-ONUが貸与されていたことと集合住宅に居住しているのでフレッツ光ネクストマンション・ギガラインタイプとしました。 あとはフォームに従って手続きを進めていけばZOOT NATIVEの申し込み作業は完了です。

次に、DS-Liteの設定をしますが、これについてはYAMAHAページの記載のとおりに行えば、良いでしょう。 http://www.rtpro.yamaha.co.jp/RT/docs/ipip/index.html#setting9

設定を終えたあとにhttp://ipv6-test.comにアクセスすれば、IPv4アドレスがMF-native6-eとなっているはずです。 これでDS-Lite開通が終了しました。おめでとうございます。

ハマりどころ

DS-Liteの設定をしたあとは一度WANにつながってるインターフェイスを再起動してあげましょう。 再起動しない状態だと、フレッツ網から外に抜けられないIPv6アドレスがルーターに割り当てられたままになっている可能性があります。 下の画像は、so-netのv6プラスオプションを解約して、その後にZOOT NATIVEの契約が通った状態ので私のRTX 1200に広告されていたrouter-prefixのリストです。

f:id:akahana_1:20200606234433p:plain

かなり分かりづらいですが2408:~から始まるアドレスと2409:~から始まるアドレスと240b:~から始まるアドレスの3種類のアドレスが広告されていることがわかります。 この内、2409:から始まるものがmfeedによって広告されているrouter-prefixです。残りのふたつのプレフィックスはなにか。 まず、2408:~から始まるrouter-prefixはフレッツ網内で有効なIPv6アドレスを示します。よって、このアドレスを使ってインターネットに出ていくことはできません。 もう一つの、240b:から始まるrouter-prefixはJPNEから広告されているrouter-prefixですのでJPNEの終端に対して接続することはできますが、mfeedの終端に対して接続することができません。 この状態でIPIPトンネルをmfeedが管理するAFTRに向けて張ろうとすると、張ることはできるものの通信が行えないといった状況が発生します。 おそらく、2409:~以外のアドレスを使ってAFTRと通信しようとしているからです。 これは、v6プラスの割当を受けた後、それを解約してv6契約がない状態からmfeedの割当を受けた時に、それまでにもらっていたrouter-prefixが削除できていないと起こる事象です。 こうなれば、ルーター再起動なりLANインターフェースの再起動を行うことが求められるでしょう。

*1:正確に言えばMAP-Eによるトンネル接続は可能ですが、あっという間にIPマスカレード(NAT)のポートを使い切ってしまうため使えたものではありません